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サンショウウオに始まった、岐阜県の川巡りなんですが、ちょっといろいろあって、足を踏み込めずにいた長良川水系・・。岐阜県は木曽三川(木曽川、長良川、揖斐川)の川が有名ですが、飛騨地方には分水嶺があるので、日本海に注ぐ庄内川などがあります。で、もともと、伊勢湾に注ぐ川には、アマゴとその降海型のサツキマスが生息し、日本海に注ぐ川にはイワナと降海型のサクラマスがいたわけです。
で、近世に入って、利水や発電の為などで川にはいっぱいダムができました。で、海に下ってから上流域に遡って産卵するサツキマスやサクラマスにとって、ダムは、それ以上、上流へ遡れないので、ダムの多い木曽川では今ではサツキマスは生存していません。サクラマスも多くのダムで岐阜県にまでは遡ってくることはありません。ダムの少ない、長良川水系と揖斐川水系には今でもサツキマスが暮らしています。長良川水系の吉田川は、郡上市内を流れる川で、いろいろな場所でサツキマスが産卵しています。サツキマスは、10月の中旬頃産卵するのですが、1ヶ月ぐらいで孵化し、そのまま産卵床の中で育ち次の年の秋に海へ下りその次の年の5月ごろ、また川を遡ります。その為、川底がシルトぽくなると産卵はできなくなります。吉田川も途中に砂防ダムがあるので、それ以上は遡上できないのと、上流からの小石が流れにくくなっています、近年、大雨が少ないのもあって、見た目には素晴らしい清流、吉田川の環境もだんだんとサツキマスにとっては悪くなっているようです。それでも、1万5千人以上が暮らす郡上八幡、町中の吉田川で貴重なサクラマスの生態を見ることができるのはとても素晴らしいことだと思います。
写真は7D+70-200ミリF4で撮りました。生き物を撮るワケですから、その環境がどうなっているかというのは、やっぱりもの凄く大事なんだと思います。折角、国内有数の清流、長良川の流域に暮らしているんで、もうちょっといろいろ見ていけるといいかもしれないなと思っています。とはいえ、なかなか難しい!!